統合失調症の僕というフィルターを通した世界観で書いた作品。

「還り道」という小説を書きました。56篇からなる長く美しい夢のような物語に仕上がりました。
この作品は、以前からブログに書き溜めていた800文字短編小説263篇の中から、56篇を選び、構成して書きました。
統合失調症の僕というフィルターを通して描かれた物語となりました。
『還り道』の大きなテーマは、生きる・夢の中というものです。
この作品を書くのに、モチーフとして使った二つの中国の故事成語があります。
『邯鄲の夢枕』、「胡蝶の夢」という故事成語です。
邯鄲の夢枕という故事はどういう話かと言うと、
立身出世を目指して都へ向かう魯迅という青年が、途中で立ち寄った茶屋で、道士から栄華を思うままに出来るという枕を貰い、魯迅はそこで少しばかりうたた寝をして、都へ向かいます。魯迅は、栄華を思うままに出来る枕を貰った事で、それから50年かけて立身出世をします。そして年老いて、眠りに就きます。そこでハッと目が覚めます。そこは立身出世を目指し立ち寄った茶屋で、うたた寝する程の時間しか経っていなかったという故事成語です。
そしてもう一つ、胡蝶の夢という故事成語があります。夢の中で蝶になった夢をみた荘子が、今のは自分が蝶になった夢を見たのか、それともそれとも蝶が人間になった夢を見たのかと考えるという故事成語です。
この二つの故事成語が、物語を書く上で、物語により深みを与えてくれたのだと思います。
最近の社会は、何処か現実味を帯びていないような感覚を僕は捉えます。
生きている実感を得る為の自傷行為や無差別殺人、現実だけれど当たり前の現実ではないのです。
だからこそ、この作品に夢、そして生きるというテーマを持たせたのです。
それによって、56篇の短編小説とも詩とも言い難い作品が、大きな意味を持たせる事が出来たような気がします。
先ほども言いましたが、僕はこの物語を、統合失調症である自分のフィルターを通して、描いたつもりでした。
しかし、読者からは、統合失調症でなくても、共感出来るという感想を頂きました。
この作品を多くの方に読んで貰いたいです。
そして共感を持ってもらいたいです。
それが僕の病気の最高の障がい受容になるように思っています。
どうぞ、この『還り道』を色々な人に読んで頂きたいです。

作成者: 逢坂 純

逢坂 純(おうさかあつし):統合失調症当事者。 私は統合失調症という精神障がいを抱えています。 20年経っても、病気は徐々に回復してきてはいますが、 それでも毎日、幻聴や被害妄想に苦しめられています。 統合失調症を甘えや我儘だと言う人もいますが、 統合失調症は脳の病気なのです。 僕は創作活動を20年前からやっていました。 そのお陰で、統合失調症という精神障がいを少しでも緩和出来ていたのかもと今では思います。 統合失調症の世界観で描かれた小説、そして統合失調症の当事者本を出版しています。 尚、逢坂 純(おうさかあつし)という名前はペンネームです。

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