急性期に

僕は約20年前に、統合失調症と診断されました。
統合失調症って、聞いたことはあるけれども、どんな病気なのかと言われれば、よく分からないという人が多いと思います。
うちの家族も僕が統合失調症を診断された直後には、「すぐ仕事を辞めて駄目な奴だ」とか「いつも怠けてばかりで、ちょっとは外へ出なさい」とか、ずっと言われていました。
それができなかったのが、統合失調症なのです。
外に出れば、街中の喧騒が声になって、自分のことを非難したり、周りの人のちょっとしたしぐさが、「それは何かの暗号で意味があることなのか」とか思っていました。
僕は統合失調症の急性期の時などは、アルバイトを無断で欠勤したり、家の中では、本当に何もしなかったり、かなりの重病人でした。
常に幻聴と妄想に悩まされ、発症時には、キャンパスノートに知人や芸能人が僕に乗り移っているように、僕を応援する言葉を書かされていました。
それはもちろん、病気の症状で、当時の僕を誰も応援などしていなかったし、芸能人の誰からも、僕の存在など知られていなかった筈です。
それなのに僕はそれを事実だと信じて疑わなかったのです。

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作成者: 逢坂 純

逢坂 純(おうさかあつし):統合失調症当事者。 私は統合失調症という精神障がいを抱えています。 20年経っても、病気は徐々に回復してきてはいますが、 それでも毎日、幻聴や被害妄想に苦しめられています。 統合失調症を甘えや我儘だと言う人もいますが、 統合失調症は脳の病気なのです。 僕は創作活動を20年前からやっていました。 そのお陰で、統合失調症という精神障がいを少しでも緩和出来ていたのかもと今では思います。 統合失調症の世界観で描かれた小説、そして統合失調症の当事者本を出版しています。 尚、逢坂 純(おうさかあつし)という名前はペンネームです。

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